5−11歳の子どもたちへの新型コロナウイルスワクチン接種について

3月5日(土)より毎週土曜日に接種を実施します。
接種量は12歳以上の一般ワクチンの1/3量で、一般と同様に3週間毎に2回接種します。

5−11歳の年齢におけるワクチン接種の意義と注意点について以下のように考えています。

:: 意義

健康な小児では新型コロナウイルスに感染してもほとんど重症化しないため、 重症化予防にワクチンを接種する意義は少ないかもしれません。

一方、基礎疾患のある小児では重症化の可能性がやや高く、重症化予防に接種する意義はあると思います。
ワクチンを接種することで同感染症にかかりにくくなる効果があります(発症予防効果は90%以上です)。

同感染症にかかると、10日間学校など外出を自粛する必要があります。
同居の家族も濃厚接触者となり、現時点で7日間外出の自粛が必要です。
長期間学校を欠席することによる子どもたちの心理的、社会的デメリットは小さくないと思います。
また家族や高齢者などに感染させる可能性もあります。

このような点からワクチンを接種することにより感染しにくくなることは意義があると考えます。
また今後イベントへの参加や旅行などに際してワクチン接種証明が必要になる場合もあるかと思います。



:: 注意点

一般でのワクチンと同様に、接種後にけん怠感、発熱、接種部の痛みなどが出現する可能性があります。
発熱は成人の約30%と比較して低く、子どもでは約10%程度と報告されています。

注射そのものはそれほど痛くはありませんが、子どもはこわがりやすいです。
そのため子どもでは集団接種ではなく、慣れたかかりつけ医での個別接種が望ましいと考えます。

当院でも接種後は、時間内、時間外かかわらず子どもの症状の変化に寄り添って責任を持ってフォローしていきたいと考えています。

子どもへの新型コロナウイルスワクチンについては、麻疹風疹などその他の定期接種のワクチンと異なり接種を強く推奨しているわけではありません。
以上の点をしっかりご理解いただき、ご希望があれば接種させていただきます。

ご不明な点がございましたらいつでもご相談ください。


令和4年2月16日         
     いちごこどもクリニック 中村 和洋